2024年7月19日コラム
産休(産前産後休業)と育休(育児休業)は、日本における労働者の働き方を支援する制度です。
いま妊娠をしている人だけでなく、今後、妊娠・出産を考えている女性もチェックしておきたいのが「産休」「育休」。
産休・育休という言葉は知っていても、具体的に産休や育休がいつから取得できるのか、いつまで休業できるのか、といった期間のことや、産休・育休の違いなど基本的なところは意外とよく知らなかったりするものなので、確認しておきましょう。
パートナーと話し合っておくと、ライフスケジュールがより立てやすくなります。
さて今回は、そんな「産休」「育休」の制度や仕組みについて一部をご紹介します。
〇産休・育休って?
出産や育児のため仕事を休業できる制度です。
出産や育児のための休業を国が法律によって定めており、正規雇用者だけでなく一定範囲のパート社員や派遣社員、契約社員などでも取得することができます。
産休は女性のみですが、育休は男性も取得することができます。
産休(産前休業、産後休業)とは
一言で産休と言っても、実は産休制度には2種類あります。出産前の準備期間に休業する「産前休業」と、もうひとつは産後、身体を回復させるために休業する「産後休業」です。
一般的にはこの2つを合わせて産休と総称することがほとんどです。
産休は労働基準法で定められており、出産するすべての人が取得できる制度になります。
育休とは
子どもを育てるため、仕事を休業できる制度です。
「育児休業制度」は、産後休業が終わった翌日から、子育てのために子どもが1歳の誕生日を迎えるまで希望期間内で休業することができる、育児介護休業法で定められた制度です。
産休と違い、育休は男女ともに取得することができます。
ただし、一定の条件を満たしている必要があります。
また、育休は分割取得が可能なので、父親と母親が相談して取得することで、仕事と育児の両立も図りやすくなっています。
○産休・育休の期間は?
産休の取得期間
産前休業の期間は出産予定日から6週間(42日)前、産後休業の期間は出産翌日から8週間(56日)です。
※出産予定日がずれた場合・・・
出産予定日はあくまでも予定であるため、予定日の前後に出産がずれる可能性は充分に考えられるでしょう。
出産予定日よりも早く産まれた場合には、産前休業はそのまま前倒しで短くなり、出産日の翌日から産後休業がスタートとなります。出産予定日よりも遅く産まれた場合には、予定日から実際の出産日までの期間も産前休業に含まれるため、実際の申請期間よりも長くなります。いずれの場合においても、産後休業の期間は8週間のままで変更はありません。
育休の取得期間
女性の育児休業は産後8週間の産休の後、子どもが1歳の誕生日を迎える前日まで申請した期間、休業できます。
※保育園などの空きがなく入園する目処が立たない場合等・・・
原則としては、子どもが1歳の誕生日を迎えるまでとされている育児休業。大半の方は育児をしつつ、復帰に向けて認可保育園などの入園準備を進めていくことになります。
しかし、保育園などの空きがなく入園する目処が立たない場合や、配偶者が死亡したり怪我や病気をしたりした場合は、子どもが1歳になる前に申請することによって、育休を1歳6ヵ月まで延長することができます。
それでも入園が難しい場合はさらに再延長の申請を行い、最長2歳までの育児休業取得が可能です。
○産休・育休に伴って受け取れる手当は?
1.出産育児一時金
妊娠4ヵ月(妊娠日数85日)以上のほぼすべての方が出産したときに、出産育児一時金を受け取ることができます。
2023年4月1日(土)より金額が引き上げられ、一児につき50万円(これまでは42万円)
2.出産手当金(※受給には条件あり)
出産手当金は出産のために会社を休み、給与を受けられなかった方を対象とし、健康保険から支給される手当です。
出産手当金は出産日(出産が予定日より後になった場合は、出産予定日)以前42日(多胎妊娠の場合は98日)から出産日の翌日以降56日までの範囲内で、会社を休み給与の支払いがなかった期間を対象としてお支払いします。
1日あたりの金額は、【支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額】(※)÷30日×(2/3)
(支給開始日とは、一番最初に出産手当金が支給された日のことです)
(※)支給開始日の以前の期間が12ヶ月に満たない場合は、次のいずれか低い額を使用して計算します。
ア 支給開始日の属する月以前の継続した各月の標準報酬月額の平均額
イ 標準報酬月額の平均額(30万円:支給開始日が平成31年4月1日以降の方)
3.育児休業給付金(※受給には条件あり)
育児休業中の期間、雇用保険から月給の67%を受け取ることができます(育児休業の開始から6ヵ月経過後からは月給の50%(×休んだ月数分)を受け取ることができます)。
○まとめ
いかがでしたか?
今回は、『産休』『育休』についての一部をご紹介しました。
産休・育休制度を利用することで、派遣社員でも安心して出産や子育てが行えます。取得や手当の受給には一定の条件が設けられている場合もあるため、申請前に自身の契約や雇用保険の加入状況をしっかり確認しておきましょう。
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