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グリーフケアの第一人者が語る『介護・看護の現場での敬意と信頼の重要性』

グリーフケアの第一人者が語る『介護・看護の現場での敬意と信頼の重要性』
髙木慶子先生(上智大学グリーフケア研究所 名誉所長)インタビュー形式コラム

医療や介護の現場で働く方々は、日々、病気や死と直面する場面が多く、心身ともに大きな負担を抱えながら業務にあたっています。
そんな中では、ほんの些細な出来事にも心が揺さぶられ、落ち着いた気持ちでケアに向き合うことが難しくなることもあるでしょう。

今回はグリーフケアの第一人者であり、医療介護従事者への講演会も数多く行っている、
上智大学グリーフケア研究所 名誉所長・髙木慶子先生に、介護・看護の現場で働く方々が抱える悩みや人間関係、そして「敬意」と「信頼」の大切さについて、お話を伺いました。

 


Q:現場でクレームが起きたとき、大切なことは何ですか?

髙木先生:
クレームを「非難」や「攻撃」と捉えるのではなく、「相手が何を感じ、何を求めていたのか」を理解する姿勢が必要です。

まずは、その状況を丁寧に理解する。
次に、クレームを伝えてきた方の気持ちを受け止める。
「なぜそうなったのか」を問い、相手が言いたいことをすべて出し切るまで、耳を傾けることです。

怒りをぶつけられると、ついイライラしてしまいますが、聞く側がその感情を「抑える」のではなく、「受け止める」ことが大切です。


Q:自分を敵視する人とどう向き合えばいいですか?

髙木先生:
まず、自分から一歩踏み出して話しかけてみること。
「どうしたらいいと思う?」と問いかけてみるのも一つの方法です。

そして、どんな言葉が返ってきても、それをまずは受け入れることです。
対話は、相手を変えるためではなく、自分が変わるためにあるのだと思ってください。


Q:上司に恵まれないとき、どうモチベーションを保てばいいですか?

髙木先生:
上司に問題があっても、その上の人が良い人であれば、そこに希望を持ってもよいと思います。
ですが、最終的には「自分自身の責任」を持つこと。

人間関係に悩んでも、「自分自身がどう成長していきたいか」「どう在りたいか」に目を向けることが大切です。


Q:看取りや死に触れることの多い現場。乗り越えるコツはありますか?

髙木先生:
セルフケアがとても大切です。

私は、神様に聞いてもらう時間を持つことが支えでした。
人それぞれに合った方法があります。大声で叫ぶのもいいし、誰かと話すのもいい。

自分に合った“心の整え方”を見つけてください。


Q:職場の先輩とスムーズにコミュニケーションを取るには、どんな工夫が必要でしょうか?

髙木先生:
まずは自分から丁寧に、親しみを持って一歩近づくことです。

たとえば、「お食事をご一緒させていただけませんか」と一言お誘いするだけで、関係性は変わってきます。
先輩同士の間には長い付き合いや和があります。その中に飛び込むのは勇気がいりますが、丁寧に、敬意をもって近づけば、きっと受け入れてくれるはずです。


Q:職場の同僚や上司が利用者様に対して不適切な言動をしているのを見かけることがあります。
本人には直接言えず、モヤモヤした気持ちを抱えながら仕事をしています。
今後、どのような心持ちで仕事に向き合えばいいのでしょうか?

髙木先生:
まず、「伝える」という行動が必要です。
ただし、年齢や立場に関係なく、敬語を使って丁寧に伝えることがポイントです。

今の若い方々は、カタカナ、ひらがな、漢字だけでなく絵文字の文化の中で育っています。
その分、「敬語」そのものの意味や重みを実感する機会が少ないのかもしれません。
けれども、敬語は相手を尊重する心の表れです。

言いにくいことも、敬語で丁寧に伝えることで、相手の受け止め方も変わってきます。
お互いが敬語で話せる職場は、自然と信頼の土台もできていきますよ。


Q:上司がなぜイライラしているのか分からず、戸惑うことがあります。どう対応すればいいでしょう?

髙木先生:
イライラは、「感情」です。
その感情の背景にあるものを、自分の中で“理解ろう(理解しよう)”とすることが大切です。

人間は成長するにつれて、感情をきちんと整理する力を持つようになります。
大人は自分の感情をきちっと整理する事。

♦髙木慶子先生への質問動画 近日公開

グリーフケアの第一人者であり、上智大学グリーフケア研究所名誉所長の髙木慶子先生が、
実際の現場スタッフから寄せられたリアルな悩みや質問に、ひとつひとつ丁寧にお答えくださいました。

言葉を交わすこと、敬語で語り合うこと、心を整えること。
グリーフケアの視点から見つめ直す、ケアの本質と人間関係のあり方。

この動画が、あなたの「こころのケア」と「働き方のヒント」になりますように。

YouTube動画ではコラムの内容の他にも

現場のケアスタッフが心のゆとりを失わないためには?

「人格者になる」とはどういうことですか?

イライラした感情にどう向き合えばいいのでしょうか?

スタッフがすぐに辞めてしまうとき、どうすればいいでしょう?

様々な質問に答えて頂きました。ぜひ公開しましらご視聴くださいませ。

♦髙木慶子先生プロフィール

髙木慶子

熊本市生まれ。高木仙右衛門の曾孫。聖心女子大学文学部心理学科卒業、上智大学神学部大学院修士課程修了。2004年「高木仙右衛門に関する研究 「覚書」の分析を中心にして」で英知大学博士(宗教文化)。
神戸海星女子学院短期大学講師、英知大学助教授、教授、2007年定年退任、聖トマス大学名誉教授(校名変更により)。上智大学グリーフケア研究所特任所長。上智大学特任教授。「生と死を考える会全国協議会」会長。
「兵庫・生と死を考える会」会長。援助修道会会員。ターミナル(終末期)にある人々のスピリチュアルケア、及び悲嘆にある人々の心のケアに携わる。

 

 

↓髙木慶子先生の書籍YouTubeもぜひご覧ください!↓

 

 

髙木慶子著書
『「ありがとう」といって死のう』

私たちには、いつか必ず死という悲しい瞬間がやって来ます。
自分の死という悲しい出来事を「こんにちは、ありがとう」といって
受け入れられれば、平穏にこの世とお別れすることができます。
そのためには、人生の「秋」、年齢でいえば55歳を超えた頃から、
人生の「冬」を迎える準備をする必要があるのです。

 

 


 

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