2022年7月21日コラム
「看取り介護」という言葉を、家族や自分の人生の最期を考える際に耳にする方も多いと思います。
高齢化が進む世の中で、この「看取り介護」が重要視されており、2021年には介護報酬改定に伴い、「看取り介護加算」が見直されました。
今回は、「看取り介護」や「看取り介護加算」について説明していきます。
〇看取り介護について
看取り介護とは？
・「看取り介護」とは、その人が最期まで自分らしく、おだやかに迎えられるよう生活を支援することです。
病院ではなく、慣れ親しんだ実家で最期を迎えたいと希望する方は多いです。本人の意思を尊重し、そのサポートをすることが重要になっていきます。
ターミナルケアとの違い
・「看取り介護」と似たような意味で「ターミナルケア」という言葉が存在します。似ていますが全く違うものになりますので、しっかりと違いを覚えておきましょう。
看取り介護加算とは？
・「看取り介護加算」とは、回復の見込みがないと判断した利用者さんに対して、本人や家族の希望を尊重し医師、看護師、介護施設が連携して看取りを行う事務所に算定される介護報酬のことです。
2021年の介護報酬改定により、下記のように変更が行われました。
算定期間の延長
・30日以上前から看取り介護を行っている事務所がある中で、従来は30日前までしか区分がありませんでした。今回の改定により、45日前～31日前という区分が新しく出来、事業所の見取り介護加算が得やすくなっています。
看護職員の配置による報酬の上乗せ
・新しい加算として、夜勤または宿直で看護職員を配置した場合、報酬が上乗せされることになりました。
その他、「看取り介護加算」について詳しくはコチラをチェック！
→「令和3年度介護報酬改定における改訂事項について」(厚生労働省)
〇介護スタッフが行うこと
仕事内容と注意点
・看取りの現場での介護職員は、大きく3つの役割があります。
身体的なケア
・日常的に行っているケアの延長と考えても良い部分もあります(入浴介助や食事介助など)。ただ、怪我や病気による痛みなどがある場合は、痛みを緩和させる対応などが必要です。
精神的なケア
・人生の終わりを考え、不安や恐怖を感じてしまう利用者さんのメンタル面を支えていきます。頻繁に話を聞くなどのコミュニケーションをとることが大切です。思いやりを感じてもらえるような優しいサポートが大切です。
家族へのサポート
・利用者さんだけでなく、家族の方も大きなストレスと寂しさを抱えています。家族のサポートも介護士の大事な役割です。お別れやお見送り、葬儀などの連絡相談等も介護士が同席、対応を行います。
不安や負担のケア
・看取り介護は介護士にとっても不安があったり、精神的につらい場面があります。働く施設によっては、看取り介護に関する研修がある場合もありますが、どうしてもつらいと感じる方も多いかと思います。不安を軽減させる3つの方法を見ていきましょう。
仕事内容をしっかり把握する
・まずは、その日に何を行えばよいかや緊急時はどうすればよいかをしっかりと理解しましょう。初めて行うときは必ず不安になります。先輩職員に実際の様子をうかがって心の負担をなくしていくことが大切です。
過去の記録を確認する
・上記の内容と少し被りますが、過去の記録を見ることも参考になります。また、自分が看取り介護を行った際もしっかりと記録して振り返りが出来るようにしましょう。
他の職員に相談する
・1人で抱え込まず、他の看護師や介護士に不安について話を聞いてもらうことも大切です。「グリーフケア」を学んでみることも客観的に自分を見つめ直すことが出来るいい機会になるかもしれません。
〇まとめ
「看取り介護」は、大きな悲しみがありつらい気持ちになると思います。ただ、この気持ちを理解し、共感できることは自分にとって大きな強みになります。利用者さんや家族に寄り添った「看取り介護」を行えた時、自分自身の大きな成長に繋がります。
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